福岡県糟屋郡宇美町のお客様からお電話をいただき、映画関係の資料を買取させていただきました。
当日の訪問をご希望とのことでしたので、予定を調整し、その日のうちにお伺いしました。
今回お引き取りしたのは、映画パンフレットを中心に、映画のチラシ、ポスター、CDなどです。
なかでも印象に残ったのは、パンフレットやチラシの保存状態の良さでした。
長い年月を経た紙の資料でありながら、丁寧に保管されてきたことがうかがえ、一枚一枚を大切にされていたのだと感じました。
映画資料の中に残されていたもの
資料を確認していると、映画女優の写真や小さなフィルム片も出てきました。
イングリッド・バーグマンやオードリー・ヘプバーンの写真です。
写真の裏面には印字があり、フィルム片についても、映画の上映用フィルムなのか、後年に複製されたものなのか、現時点では分かっていません。
こうした資料は、必ずしも金銭的な価値だけで測れるものではありません。
いつ、どのような目的で作られ、どのような経緯で手元に残されたのか。
その背景を確かめることも、古いものを扱う仕事の一つだと考えています。
約300枚の映画チラシについて
今回の買取品には、約300枚の映画チラシも含まれていました。
いずれも保存状態が良く、映画を愛する方が長く大切に保管されてきたことが伝わってくる資料でした。
ただ、現在の当店の取扱商品や選品の方針を考えると、これだけの枚数を一枚ずつ調べ、適切に販売していくことは容易ではありません。
そこで、映画資料を扱う東京の古書店さんへお譲りすることにしました。
すべてを自分の店で販売することが、必ずしも最善とは限りません。
その資料を必要としている方へ、より適切につないでいただけるのであれば、専門の方に託すことも大切な判断だと思っています。
お引き受けするもの、お断りするもの
今回、最初にご相談いただいたのは写真集の買取でした。
ただ、実際に内容を確認したところ、当店が現在扱っている分野とは異なっていたため、写真集については率直にお断りしました。
一方で、映画関係の資料については、内容や保存状態を拝見したうえで、お引き取りすることにしました。
古いものだから何でも買い取る、という考え方ではありません。
自分たちが価値を見いだせるもの、責任を持って次へつなげられるものを選ぶ。
その判断を曖昧にしないことが、結果として、お客様からお預かりする品物を大切に扱うことにつながると考えています。
大切にされてきたものを、次の持ち主へ
映画パンフレットも、チラシも、ポスターも、かつては映画を観る楽しみとともに手元に残されたものです。
時間が経ち、役目を終えたように見えるものでも、今度は映画史やデザイン、印刷文化の資料として、別の価値を持つことがあります。
今回のように、長年大切に保管されてきたものに出会うと、その時間も含めて次の方へつないでいきたいと感じます。
当店で販売するものもあれば、専門の古書店や市場へ託すものもあります。
行き先はそれぞれ異なりますが、できる限り、その品物にふさわしい場所へ届けたいと考えています。
このたびは、大切な映画資料をお譲りいただき、ありがとうございました。
福岡県内の古書・映画資料の買取について
選品舎では、福岡市を中心に、糟屋郡宇美町をはじめとする福岡県内で、古書や各種資料の買取相談を承っています。
映画パンフレット、ポスター、デザイン・美術・建築関係の書籍など、内容を確認したうえで査定いたします。
すべてのお品物をお引き受けできるわけではありませんが、一点ずつ内容を見極め、適切な取扱いを心がけています。
買取のご相談は、いつでも気兼ねくお問い合わせください。
大西 健
古書店「ヘルベチカ」店主。
福岡を拠点に
建築・デザイン・写真・美術など
視覚文化に関わる古書 を扱っています。

