本の価値は、ずっと同じではありません。
10年前には高値で取引されていた本が、現在ではほとんど値段がつかないことがあります。
その逆に、刊行当時はそれほど注目されていなかった本が、時間を経て評価され、現在では探している人の多い一冊になっていることもあります。
だから、蔵書を整理しようと思ったときは、処分してしまう前に一度見せてください。
一冊ずつ撮影する必要はありません。
本棚全体や背表紙が分かる写真を数枚送っていただければ、
「ここは詳しく見た方がいい」
「この本は残しておいた方がいい」
「この分野なら別の専門店にも相談した方がいい」
といった判断ができる場合があります。
ヘルベチカでは、査定料・出張費ともに無料です。
福岡市を中心に、久留米市など福岡県内の蔵書整理・出張査定についてご相談いただけます。
大学の先生から、専門書の査定相談
先日、福岡県内の大学の先生からご連絡をいただき、蔵書を拝見するために伺いました。
中心となっていたのは、専門性の高い書籍です。
その中から数冊を選び、その場で「日本の古本屋」など現在の流通状況を確認しながら、一冊ずつ相場を調べました。
査定金額をお伝えしたうえで、今回は、
「専門性の高い本ですので、よろしければ他の古書店にも一度相談してみてください。それでもお困りでしたら、またご連絡ください」
とお伝えしました。
すべての本を、自分のところで買い取ることが目的ではありません。
専門性の高い資料であれば、その分野を深く扱っている古書店の方が適切に評価できる場合があります。
それなら、そちらにも査定してもらった方が依頼された方にとって良い。
まず何があるのかを見て、どこで評価されるべき本なのかを判断する。
それも査定の一つだと考えています。
久留米では、全集や雑誌を含む蔵書のご相談
別の日には、久留米市から蔵書整理についてご相談をいただきました。
全集や雑誌などを含む蔵書です。
何十冊も揃えた全集。
長い時間をかけて集めた雑誌。
当時、高価だった本。
そうしたものを前にすると、
「これだけの本なのだから、ある程度の金額になるのではないか」
と思われるのは自然なことです。
しかし、古書市場での現在の価格と、購入した当時の価格は別のものです。
当時高価だった本でも、現在の価格は変わります
古書の価格は、当時の定価だけでは決まりません。
- 現在、その本を探している人がいるか
- 市場にどれくらいの冊数が残っているか
- その分野が現在再評価されているか
- 需要に対して供給が多すぎないか
- 保存状態はどうか
- 揃いであることに意味があるか
こうした条件が重なって、現在の市場価格が形成されます。
そのため、10年前には高値だった本でも、現在はほとんど値段がつかないことがあります。
一方で、その逆もあります。
特定の建築家やデザイナー、写真家の資料。
小さな展覧会の図録。
限定部数で刊行された冊子。
企業が制作した非売品資料。
建築やデザインに関する古い雑誌。
一見すると何でもない本の中に、現在では入手が難しくなっている資料が混ざっていることがあります。
私たちは、
「古いから価値がある」
「当時高かったから今も高い」
「新しいから価値がない」
という見方はしません。
現在の市場と、その本そのものを見て判断します。
美術書・建築書だけの蔵書でなくても構いません
ヘルベチカが特に扱っているのは、
美術書、建築書、写真集、デザイン書、展覧会図録、作品集、古い雑誌や文化資料などです。
ただし、ご相談いただく蔵書のすべてが、この分野である必要はありません。
本棚の中に、
専門書、全集、文学書、趣味の本、雑誌、美術書、建築書、写真集などが一緒に並んでいても構いません。
その中から、
- 現在の市場で評価できるもの
- もう少し詳しく調べるべきもの
- 専門の古書店に相談した方がよいもの
- 現在は価格がつきにくいもの
- 資料として残しておいた方がよいもの
を見ていきます。
査定した結果、買取が難しいとお伝えする本もあります。
すべてに値段がつくわけではありません。
しかし、処分してしまう前なら判断できます。
価値が分からない本ほど、処分する前に
古書を扱っていると、表紙だけでは判断しにくい本に出会います。
持ち主にとっては何でもない一冊だったものが、現在では探している人のいる資料だった、ということもあります。
反対に、大切に保管されてきた立派な全集でも、現在の市場では需要が少なく、価格が成立しにくいこともあります。
ここには、少し厳しい現実があります。
けれども、すべてに価値がないわけでもありません。
だからこそ、価値が分からない段階で一括して処分するのではなく、その前に一度見ておく。
それだけで残せる本があります。
写真から分かることがあります
「大量にあるので、一冊ずつ説明できない」
という場合でも問題ありません。
本棚全体が分かる写真を撮ってください。
できれば背表紙の文字が読める程度の距離で、棚を何枚かに分けて撮影していただけると判断しやすくなります。
写真を見ると、個々のタイトルだけではなく、
どのような分野の本を、どの時代に、どのような関心で集めていたのか
という蔵書全体の傾向が見えてくることがあります。
その中で気になる本があれば、追加でその本だけ撮影していただけば、より具体的に確認できます。
最初から完璧なリストを作る必要はありません。
まずは本棚の写真からで構いません。
福岡県内なら、電話一本からでもご相談ください
写真を送るのが難しければ、まずはお電話でも構いません。
- どのような本があるのか
- おおよそ何冊くらいあるのか
- どなたが集めた蔵書なのか
- いつ頃から集めていたものなのか
- どのような分野が多いのか
こうしたお話を聞くだけでも、ある程度判断できる場合があります。
内容や冊数、場所などを確認したうえで、必要であれば実際に伺って拝見します。
福岡市を中心に、久留米市など福岡県内の出張査定に対応しています。
捨ててしまえば、そこで終わります
長い時間をかけて集められた蔵書には、その人が何に関心を持ち、何を見てきたのかが残っています。
もちろん、古書店ですから市場価格を見て査定します。
しかし、すべてを買い取ることだけが仕事だとは考えていません。
何に現在の市場価値があるのか。
何は別の専門家に見てもらうべきなのか。
何を残しておいた方がよいのか。
それを見極めることも、古書を扱う仕事の一つです。
専門書、全集、雑誌が混ざっていても構いません。
美術書・建築書・写真集だけの蔵書でなくても構いません。
福岡県内で蔵書整理や大量の本の処分をお考えでしたら、捨ててしまう前に一度ご相談ください。
電話一本、本棚の写真数枚からでも、分かることがあります。
大西 健
古書店「ヘルベチカ」店主。
福岡を拠点に
建築・デザイン・写真・美術など
視覚文化に関わる古書 を扱っています。


