福岡市中央区のお客様より、蔵書整理のご相談をいただきました。

今回拝見したのは、建築書、美術書、料理本を中心とした蔵書です。
長く大切に扱われてきた本が多く、単に不要になった本というより、その方の関心や暮らしが静かに残された棚という印象でした。

福岡市中央区での蔵書整理のご相談

今回のご依頼は、本の買取だけではありませんでした。

蔵書の整理に加えて、お部屋の片付け、書棚の分解、搬出まであわせて対応しました。
本の量が多く、書棚もそのままでは運び出せない状態だったため、現地で分解し、階段を使って少しずつ搬出しました。

建物はエレベーターのない4階。
本や棚を抱えて、何度も階段を往復しました。おそらく20往復ほどしたと思います。

買取した本の内容

今回中心となったのは、以下のような本です。

建築書

住宅建築、建築家の作品集、建築写真、空間や住まいに関する本などを拝見しました。
建築書は、著者、設計者、出版社、刊行年、状態によって評価が大きく変わります。

美術書

美術家の作品集、展覧会図録、現代美術や工芸に関する本などが含まれていました。
美術書は、作家名や展覧会の内容だけでなく、図版の質や資料性も確認しながら査定します。

料理本

料理本も、内容によっては古書として十分に評価できます。
専門性のある料理書、絶版になっている本、写真や装丁に魅力のある本、暮らしの記録として残したい本などは、次の方へ引き継げる場合があります。

家具について

一部の椅子などの家具も拝見し、当初は買取の対象として進めていました。

ただ、家具についてはご家族にとって思い出のある品でもありました。
その後、ご親族の方が引き継がれることになったため、無理に買取を進めず、お戻しする形となりました。

本や家具は、ただの品物ではありません。
ご家族の記憶と結びついているものもあります。

そのため、買取の現場では、金額だけで判断できないことがあります。

書棚の分解と搬出作業

本が並んでいた書棚は、現地で分解して搬出しました。

蔵書整理では、本そのものの査定だけでなく、実際にどう運び出すかも大切です。
特に集合住宅やエレベーターのない建物では、搬出経路や作業量を確認しながら進める必要があります。

今回は4階からの搬出だったため、体力のいる作業になりました。
それでも、丁寧に扱われてきた本を雑に運ぶわけにはいきません。

大切に扱われてきた本に向き合うこと

今回の作業で印象に残ったのは、本の扱われ方でした。

本には、その人の時間が残ります。
どんな本を選び、どのように棚に並べ、どれだけ丁寧に扱ってきたのか。

蔵書を見ると、その方が何に関心を持ち、どのように暮らしてこられたのかが、少しだけ見えてきます。

後日、そのお客様がご逝去されたと伺いました。

その知らせを聞き、あらためて思いました。
蔵書整理という仕事は、ただ本を買い取るだけではありません。

大切に扱われてきた本を、雑に扱ってはいけない。
金額をつけるだけでなく、どの本を次へ残すべきか、どのように整理すべきか、真剣に向き合う必要があります。

福岡市内で建築書・美術書・料理本の買取をご希望の方へ

ヘルベチカでは、福岡市中央区をはじめ、福岡市内・近郊で古書買取、蔵書整理のご相談を承っています。

建築書、美術書、写真集、デザイン書、料理本、専門書などを中心に、一冊ずつ内容を確認しながら拝見します。

本の量が多い場合や、書棚の解体・搬出、片付けが必要な場合も、できる限り対応いたします。

本を手放すことは、単なる処分ではありません。
大切にされてきたものを、次へ渡すための整理です。

大西 健
古書店「ヘルベチカ」店主。

福岡を拠点に
建築・デザイン・写真・美術など
視覚文化に関わる古書 を扱っています。

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