福岡で古書の買取をしていると、
写真集について相談を受けることがあります。

写真集について相談を受けるとき、
「写真家の名前」で探す方も多いのですが、
コレクターの中には 出版社で探す人 もいます。

少し不思議に聞こえるかもしれません。

しかし写真集の世界では、出版社ごとに
編集の方向や扱う写真家の傾向があり、
それ自体が一つの文化になっています。

たとえば、

  • 蒼穹舎
  • Nazraeli Press
  • Twin Palms
  • リブロポート

こうした出版社の名前は、写真集の世界ではよく知られています。
出版社ごとに、扱う写真家や装丁、印刷の雰囲気に個性があり、
その出版社の本を追いかけるように集めるコレクターもいます。


写真集は「作品」として作られる

写真集は単に写真をまとめた本ではありません。

  • 印刷
  • 紙質
  • レイアウト
  • 装丁

こうした要素を含めて、
ひとつの作品として制作されることがあります。

そのため写真集は、
単なる書籍というより 作品集 として収集されることがあります。

同じ写真でも、
どの出版社がどの形で本にしたのかによって、
まったく違う印象になることもあります。


日本写真は海外でも収集されています

海外では

Japanese Photography

というジャンルとして、日本の写真家の作品が収集されています。

たとえば

  • 森山大道
  • 荒木経惟
  • 細江英公
  • 東松照明

こうした写真家の作品集は、海外のコレクターや研究者にもよく知られています。

そのため、当時出版された写真集が
後になってコレクションとして集められることもあります。


当時の写真集は数が多くありません

1970〜90年代の写真集は、

  • 小部数出版
  • ギャラリー出版
  • 展覧会出版

などの形で作られることが多く、
現在のように大量に印刷されていたわけではありません。

そのため状態の良いものは、
市場に出る機会がそれほど多くありません。


写真集の周辺資料も扱われることがあります

写真の世界では、

  • 展覧会の案内状
  • 写真展のチラシ
  • ギャラリーの印刷物

といった紙資料が残っていることもあります。

こうしたものは
エフェメラ(紙もの資料) と呼ばれることもあり、
写真文化の記録として扱われることがあります。


写真集は、誰かの時間でもあります

写真集は、ただの本ではありません。

写真を撮っていた人が
長い時間をかけて集めたものだったり、

展覧会を巡りながら
少しずつ揃えていったものだったりします。

本棚に並んだ写真集を見ると、
その人がどんな写真を好きだったのかが
静かに伝わってくることもあります。

整理の中で
手放すことを考える方もいらっしゃいますが、
そうした本が次に写真を学ぶ人やコレクターの手に渡ることもあります。


写真集には、
そうした流れがあるように思います。


写真集について

福岡を拠点に、美術書・建築書・写真集など
視覚文化に関わる古書を扱っています。

写真家の作品集や写真集は、
一般的な古本とは評価の仕方が異なることがあります。

写真をされていた方の蔵書や、
大学研究室・デザイン事務所の整理などで
写真集がまとまって出てくることもあります。

福岡・九州で
写真集や美術書の整理を考えられている方がいましたら、
お気軽にご相談ください。

内容を拝見したうえで、
写真集として評価できるものかどうか、
おおよその見通しをお伝えすることもできます。

写真集や美術書の整理については、
こちらのページでも詳しく紹介しています。


写真集・美術書の買取について

大西 健
古書店「ヘルベチカ」店主。

福岡を拠点に
建築・デザイン・写真・美術など
視覚文化に関わる古書
を扱っています。

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